彗星のごとく水墨画壇に登場し、1年間に7つのコンクールに出品したすべてに受賞、 銀座4丁目の交叉点を見下ろす会場で個展を開き、斯界の具眼の士を驚かせた 内田百音さん。その個展を私も 印象に強く覚えている。 もっとも、3歳にして毛筆と音楽教育を受け、学生時代は油絵に親しみ、書と音楽を学び、 書道師範として十分な実績を持つ彼女にしてみれば、満を持しての水墨画壇登場と 言えようか。 その作品特徴を挙げれば、大きく2つある。その1つは、描線にある。特に澄明感のある線と 温かく優しい線は長い書道研鑽の賜であろう。 2つに、作品に感じる光であり、精神性(霊性と言い換えても構わない)である。 現代都市であろうと人物、花であれ、そこに宿る霊性は彼女の人格、心情、思想、つまり 他者を思いやる人生そのものに根差しているに違いない。 日々精進の姿勢がさらに彼女の人間性と共に画格を深め大きくしていくことだろう。
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