人生 Mone Uchida
― 生きる ―
生きる 2
植物はどんな状況にあっても常に光を求めて成長を続けます。嵐の日も風の日も踏まれても倒れても生きようとします。

また、動物も同様にどんな状況にあっても決して自害をしません。どれ程飢えていても激しい傷の痛みがあっても決して命を絶つ事をせずに天寿を待つのです。
ですから死後は天に優しく迎えられる・・・と何かで読みました。

自殺をするという事は天の意志・・・その人に与えられた魂の磨きの経験、せっかくの精神の成長の機会を見すててしまう行為です。
又、貴方をこれまで育てて来た人の人生を否定する行為です。
天はその人に越えられない苦難は与えない。
どう仕様もなく苦しくて、もしも今貴方が人生に限りなく絶望しているのならば・・・
どうぞあと2年だけ待ってみて下さい。

時間の経過と共に開けてくる道もあるからです。
何故ならば、環境は思いの他早く変化していくものだからです。
どう仕様もなく八方ふさがりの状態の時は、もがけばもがく程深みにはまっていってしまいます。苦しみは増すばかりです。ですからそんな時は、もがくのを止めてじっと体を丸めて静かに流れに任せてみます。
するとゆっくり静かに深い海の底に沈んで行きます。
もがき続けていると浮上は遅れますが、静かに沈んで行くと不思議と楽になり、いつの間にか足が真っ暗な海底に触れる時がやって来ます。

・・・真っ暗はそれ程怖くない・・・。
ただ足が触れたと思った時・・その時こそ思い切り力の限りに蹴り上げてみるのです。
するといつの間にか海上へと体が昇って行き、不思議と早く光が見えて来ます。

どう仕様もなく八方ふさがりの時は「まあ、いいか」と開き直る。
流れに任せて時期を待つ。膠着していた人生に変化が現れるのを・・・待つ。


決して抜けないトンネルはないのです。
そして、少しでも足元に薄明かりを覚えたなら又一歩一歩、歩み出しましょう。

ユングは言います。

―深みへの下降は、常に登高の前ぶれである。−・・・と。

「明るい高みをめざすには、まず暗い深みへ沈降しなければならない。」
【地獄の水のざわめく深淵】へあえて降りていく。
危険を冒すことで初めて夢見者は精神的な高みに臨む事が出来る」
                            −ユング−
TOP
次へ