祈り Mone Uchida
― 祈り ―
天啓来光
この作品「天啓来光」は宇宙の愛、天の知恵神仏の愛が見て下さる方に届きます様に・・・との願いを込めて100号(162cm×130cm)の大作に挑んだものです。
祈りとは手を合わせるその形ではなく、スタイルでなくその人の心のあり方、思いの強さが問われるのではないかと思うのです。

ユングの言葉で言うなら絶望の只中で祈るのは「内なる神」でありそれは自分の存在を越えた「良心」「理想」とも言えるのかも知れません。
遠藤周作は「神とは自分の中にある働きだ」と言っています。私も同様に思います。
神の存在があるかないかが重要なのではなくて、自分の心の中にもう一人の存在をおいて、その存在と対話しようとする心の動きが、その人の中にあるかどうかが大切なのだという事です。


もう一人の自分の理想像(指導者)をおき、いつもその存在と対話しながら自己決定していく。

その対話が「祈り」にも似た強さを伴う時、それが人の生きる強い指針となっていくのです。


自分はどんな風に生きたいのか?自分は何を成したいのか?こんな風に行動して果して良いだろうか?自分の理想とは・・・?

それを常に内省する事です。その内に自分の核・しっかりした中心線が自分の中に出来上がり、ふらふら人の顔色を伺わなくて良くなります。
その時、人は動じずに安定した精神を獲得し、真の幸福感を得て自己実現への達成に向かう事が出来るのだと思うのです。

最近よく自己啓発セミナーや書籍でよく言われている「信念の力」も結局は同じ「祈りのパワー」「内省の力」であるという事にある時私は気付いたのです。
私としては、それは、とても偉大な発見でした。
古くから人の意識に仏やキリストが働くのは実は心の奥底の無意識の部分であり、そこを宗教やスピリチュアルでは魂と呼び、心理学者は潜在意識と呼んで来たのです。
貴方もその心の奥底に祈りを込めて、願望を強く向け、自己実現(夢、希望)を達成させて下さいます様に・・・。
そして、天の知恵が、貴方に、そしてそれを必要とする世界の人々にたくさん注がれます様に・・・・
※ この作品の観音様のお顔は自分としてはイメージで作り上げたつもりでしたが、仕上がって見ると私の友人のフルート奏者、横山くに子さんにそっくりだったので後になって驚きました。制作当時、彼女には色々とお世話になっていて・・・そんな感謝の念が不思議にも作品の上に自然と表出してくるのですね。
絵画制作とは、作家が意図しない内面の不思議が色々と発見されて来て・・・それは、実に面白くもあるのです。
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